散歩から帰って足を拭く時間。毎日のことなのに、意外と基準がないですよね。ウェットティッシュでさっと拭くおうち、毎回せっけんで洗うおうち、そのままのおうち。正解は、その日どこを歩いたかによって変わります。そして、毎日洗うのが良いわけでもないんです。
基本は乾いた日は拭く、ぬれた日と融雪剤がまかれた日は水洗いです。晴れた日の歩道の散歩ならぬれタオルかウェットティッシュで十分、雨の日、泥道、冬の塩化カルシウムの道は、ぬるま湯で指の間まで洗ってあげてください。毎日のせっけん洗いは皮膚のバリアを壊して、かえってトラブルの原因になります。
| 状況 | ケア | ポイント |
|---|---|---|
| 晴れた日の歩道 | ぬれタオルかウェットティッシュ | 指の間まで拭く |
| 雨の日、土の道 | ぬるま湯で洗う | せっけんなしの水で十分 |
| 融雪剤の道(冬) | 水洗い必須 | なめる前にすぐ |
| 海、川 | 水洗い | 塩分と砂を落とす |
| 洗った後の共通 | 完全乾燥 | 指の間の湿気が最大の敵 |
肉球と指の間の皮膚にも、保護バリアがあります。毎日せっけんで洗って、特に乾かし足りないと、このバリアが崩れて湿疹やカビが出やすくなるんです。足をしきりになめて指の間が赤くなる子の中には、洗いすぎが原因のケースが思ったより多いです。
私も最初は潔癖に近いくらい毎日洗っていたのですが、うちのグルム(「雲」という意味の名前です)の指の間が赤っぽくなっているのを見て、病院でひとこと言われました。洗うことより乾かすことが大事ですよ、と。それからは乾いた日は拭くだけにして、洗った日はドライヤーの弱風で指の間まで乾かしています。トラブルは消えました。
玄関にタオルとウェットティッシュを置いておけば、半分は成功です。帰ってきたらすぐその場で4本の足を拭くルーティンを作ると、その子もこれが散歩の締めくくりの手順なのだと学びます。足を触られるのが嫌いな子なら、足を1本拭くごとにおやつ1粒から始めましょう。数日で足を差し出すようになります。
それから月に1、2回は、足裏の毛と爪の状態も一緒に見てあげてください。足裏の毛が長いとフローリングで滑って関節に負担がかかりますし、足を拭くついでに確認するのがいちばん忘れません。
玄関で足を拭くその時間に、クンクンのお散歩終了ボタンをひとつ押すだけで、今日の距離と時間が足あとスタンプで残ります。足のケアと散歩の締めくくりをセットにしておけば、どちらも忘れなくなります。
今日のお散歩を記録する →足ケアの最大の難関は、実は方法ではなくその子の協力ですよね。足に触るとぱっと引っ込める子は、小さいころから足が敏感な部位のまま残っているケースが多いです。慣らしは「取引」から始めましょう。足先だけそっと触れておやつ、足を1秒握っておやつ、タオルを当てておやつ。数日かけて段階を上げれば、たいていの子は足を差し出すようになります。無理やり押さえて拭くと、次回の難易度が上がるだけです。
拭く姿勢も重要です。立っている子の足を後ろに折り上げると、関節が窮屈で嫌がります。その子を座らせるか横に寝かせて、脚が自然な角度になるように拭いてあげてください。
毎日足に触る習慣には、隠れた利点があります。異変をいちばん早く発見する場所になる、ということです。指の間に挟まったトゲ、赤みの初期、爪の割れ、肉球の傷。毎日触っている手は、昨日と違う点にすぐ気づきます。1日1分の足拭きが、ケアであり検診でもあるわけです。散歩の締めくくりとして、これほどのルーティンはありません。
足のケアは、華やかなお手入れではなく毎日の1分です。乾いた日は拭いて、ぬれた日は洗って、いつも乾かす。このシンプルなリズムさえ守れば、足のトラブルのほとんどは経験せずに済みます。今日の散歩から帰ったら、さっそく始めてみてください。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。