考えたくはないけれど、知っておくと決定的な瞬間にうちの子を守れる知識があります。犬同士のケンカへの対処がそれです。実際の状況は数秒で起こり、その数秒に何を知っているかが結果を分けます。落ち着いて読んでおいてください。
第一原則は素手を2匹の間に入れないことです。興奮した犬は飼い主さんの手も噛みます。音と水、大きな物で注意を切り、だめなら互いに後ろ足を持ち上げて後ろへ下がる方法(手押し車方式)を使いましょう。ケンカの後は外見が無事に見えても傷を確認し、噛まれた痕があれば病院へ行きます。
| 順番 | 方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 1. 音で切る | 大きく短い音、手をたたく | 悲鳴は興奮を大きくする |
| 2. 水・物を使う | 水をかける、バッグや上着を間に | 体の代わりに物を入れる |
| 3. 後ろ足を持ち上げる | それぞれ自分の犬の後ろ足を持って後ろへ | 両方が同時に、持ち上げたまますぐ離さない |
| 4. 分離後は距離 | 互いに見えない場所へ | 再衝突の防止 |
いちばん多い失敗が、首輪を上に引き上げることと、手で口を開けようとすることです。どちらも人が噛まれる近道です。特に噛んだ状態で引っ張ると、傷が裂けて大きくなります。急ぐときほど順番を思い出してください。音、物、後ろ足。
興奮が収まったら、その子の体をすみずみまで確認してください。毛に隠れて見えない傷が多いんです。特に首、耳、脚の内側。噛まれた痕があれば、小さく見えても病院に行くのが正解です。歯の傷は外見より中が深く、感染のリスクがあるからです。相手の飼い主さんとは連絡先を交換し、必要なら狂犬病予防接種の有無を確認しましょう。
そして、うちの子の心のケアも必要です。ケンカの後の数日間は、他の犬を避けたり神経質になったりすることがあります。無理に他の犬に会わせず、静かなコースを数日歩いて、回復の時間をあげてください。
ケンカにはたいてい、先にサインが出ます。体がこわばって固まる、視線を固定してうなる、毛が逆立つ。このサインが見えたら、あいさつを中断して距離を空けるのが正解です。そして初対面の犬とあいさつさせるときは、リードをゆるめに、短く切り上げること。対面が長いほど事故の確率は上がります。知らない犬には、あいさつの前に飼い主さんへひと声かける習慣。それが最高の保険です。うちのグルム(「雲」という意味の名前です)は知らない犬が正面から走ってくると固まってしまう子なので、私は相手の飼い主さんがリードを持っているかをまず見てから進路を決めています。
クンクンのご近所フィードには、近所のわんちゃんたちの自慢の投稿やお散歩完了の投稿が積み重なっています。どの子がどんな性格か先に見てから会えば、知らない犬との突然の対面よりずっと安全な初あいさつになります。お散歩友だちは、そうやってできていくんです。
ご近所のわんちゃんに会いに行く →咬傷事故が起きたら、感情より手続きが先です。お互いの連絡先と狂犬病予防接種の有無を確認し、傷と現場の写真を残して、病院の診療記録と領収書を保管してください。治療費の分担は過失の状況によって変わりますが、ノーリードなど管理を怠っていた側の責任が大きくなります。感情的になりやすい場面ですが、現場ではうちの子の状態確認と情報交換までにとどめて、賠償の話は落ち着いてからするほうがお互いのためです。
考えたくないことですが、逆のケースも備えておく必要があります。うちの子が相手を噛んでしまったら、まず相手の子の状態を確かめて受診をすすめるのが道理であり、法的にも正しい順序です。そして、うちの子の攻撃がどんな状況で出たのかを振り返ってください。特定のタイプ(大きい犬、子犬、突然の接近)に繰り返されるパターンがあるなら、プロのドッグトレーナーの評価を受けるのが次の事故を防ぐ道です。それまでは口輪と短いリードで管理責任を果たすことが、うちの子を守る方法でもあります。
犬同士のケンカへの対処法を読んでおくのは、自動車保険のようなものです。使う日が来ないことを願いつつ、来たときには決定的。順番の3つだけ覚えてください。音、物、後ろ足。そしてその前にある最高の対処は、いつだって予防です。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。