うちのグルム(「雲」という意味の名前です)を登録しに行った日、病院の待合室で会った飼い主さんの半分が「それ、必ずやるべきですか?」と聞くのを耳にしました。私も最初は知りませんでしたから。登録は義務でもありますが、迷子になったあの子が家へ帰ってくる、ほぼ唯一の公式の経路でもあります。
日本では生後91日以上の犬は、畜犬登録(生涯1回)と狂犬病予防注射(毎年1回)が法律の義務です。お住まいの市区町村への登録で鑑札が交付されて、注射のたびに注射済票をもらって、2つとも首輪に付けておくべきです。ここに、ペットショップやブリーダーから迎えた子はマイクロチップが装着されていて、飼い主さんの情報への変更登録が義務です。怠ると罰金の対象になり得て、引っ越しや連絡先の変更のときは、届け出まで済ませてこそ登録が役目を果たします。
生後91日以上の犬を飼い始めたら、30日以内(子犬は91日齢から30日以内)に、お住まいの市区町村へ畜犬登録をするのが原則です。そして狂犬病予防注射を毎年1回、原則4~6月の期間に受けさせるべきです。登録の証明が鑑札、注射の証明が注射済票で、この2つは犬に装着する義務まであります。ここに2022年6月から、販売される犬と猫にはマイクロチップの装着が義務化されて、迎えた飼い主さんは自分の情報への変更登録をすべきです。それぞれの役割が違うので、比べてみてください。
| 区分 | 畜犬登録+注射済票 | マイクロチップ |
|---|---|---|
| 根拠 | 狂犬病予防法、法律の義務 | 動物愛護管理法、販売の犬猫は装着の義務 |
| 形 | 首輪に付ける鑑札と済票 | 米粒の大きさのチップを肩の皮膚の下へ |
| 紛失のリスク | 首輪ごとなくすと確認できない | なし、どこでもスキャンできる |
| 費用の目安 | 登録3,000円ほど+注射3,000円前後と済票 | 装着数千円台、登録は数百円~千円台 |
| 迷子への備え | 番号で自治体に照会 | 確実、保健所と病院でスキャン |
※マイクロチップを装着して指定登録機関に登録すると、鑑札とみなす特例に参加している自治体もあります。お住まいの自治体の運用を確認してみてください。
いちばん楽な道は、動物病院です。狂犬病の予防注射を受けながら、多くの病院が登録の手続きや済票の交付まで案内してくれて、自治体によっては病院で登録の代行まで一度に終わります。市区町村の窓口や、春の集団接種の会場で処理する方法もありますし。保護犬や譲渡で迎えてマイクロチップがまだない子も、病院で装着できます。注射程度の処置で、麻酔は要りません。装着だけで終わりではなく、指定登録機関(環境省のデータベース)に飼い主さんの名前と連絡先を登録してこそ、チップが働きます。
ここで多くの方が見落とします。引っ越して住所が変わったり、電話番号が変わったり、あの子の飼い主が変わったら、変更の届け出をすべきです。畜犬登録は新しい市区町村へ、マイクロチップの情報は指定登録機関のオンラインで変更します。あの子が迷子になったり、虹の橋を渡った場合も届け出の対象です。これは飼いながら学んだのですが、登録しておいても番号が昔の物なら、いざあの子が見つかったとき連絡がつきません。登録は始まりで、情報を現在に保つのが完成です。
登録を終えると、本当にうちのご近所の住民になった気分になります。クンクンを開くと、同じご近所のわんちゃんたちの自慢とお散歩完了の投稿が見えるのですが、そこから散歩友だちができます。うちのご近所にどんなわんちゃんたちが住んでいるのか、見物するだけでも面白いです。
ご近所のわんちゃんに会いに行く →マイクロチップがあっても、外からは見えません。名前と電話番号の書かれた迷子札を首輪に付けておけば、あの子を見つけた人がリーダーなしでもすぐ連絡できます。鑑札とチップと迷子札は、保険の多重の装置だと思ってください。
注射を受ける程度の処置で、副作用の報告はまれな側です。それでも心配なら、接種や健診のとき一緒に進めれば、あの子の負担が1回で終わります。処置の後の数日は、挿入の部位を強く触らない程度だけ気を使えば大丈夫です。
狂犬病の予防注射は原則4~6月ですが、その期間を逃しても、病院でいつでも受けられます。体調や病気で接種が難しい子は、獣医師の猶予の証明で届け出る道もあるので、勝手に抜かさず、病院と相談してください。
登録は、罰則を避けるためにやることではなく、最悪の日にあの子が家へ帰ってくる道を作っておくことです。まだなら、今週末、病院へ行く用事のついでに終わらせてしまってください。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。