ぽっちゃりがかわいい、という言葉は、犬の体には通用しません。太りすぎは関節、心臓、糖尿のリスクを全部引き上げて、寿命にも影響しますから。ところが、うちの子が肥満かどうかは、体重の数字だけでは分かりません。基準は指先にあります。
基準は体重計ではなく体型(BCS)です。肋骨が薄い脂肪の層の下で楽に触れて、上から見たとき腰のラインがくびれていれば適正です。肋骨が押してやっと触れるか、触れなければ太りすぎ、肥満です。減量は週に体重の1~2%以内でゆっくり、フード量の調整と散歩の増量を並行しつつ、減量の目標は獣医師と一緒に決めるのが安全です。
| チェック | 適正 | 太りすぎのサイン |
|---|---|---|
| 肋骨の触診 | 薄い脂肪の下で骨の並びが触れる | ぐっと押してやっと触れるか、触れない |
| 上から見た腰 | 肋骨の後ろでくびれたライン | まっすぐ、または膨らんでいる |
| 横から見たおなか | 胸からおなかへ上がるライン | 垂れているか水平 |
この3つが、獣医学で使うボディコンディションスコア(BCS)の核心です。手の甲を触ったとき指の骨が感じられる程度が、適正な肋骨の感覚と似ているとよく例えられます。私はうちのグルム(「雲」という意味の名前です)をなでるとき肋骨をさりげなく確認するのが習慣になったのですが、お風呂の後で毛がぬれているときにやると、より正確です。トリミングの直後も、体型確認の良いタイミングです。
減量の公式はシンプルです。少なく食べるか、多く動くか。でも現実では、食べる側の管理が8割です。順序はこうです。1つ目、おやつの総量から整理します。1日のカロリーの10%以内に、家族全体の合算で。ほとんどはここですでに超過分が見つかります。2つ目、フードを計量します。目分量をはかりに替えるだけで、10~20%の誤差がつかまります。3つ目、それでも足りなければ、給与量を10%ずつ段階的に減らすか、ダイエット専用フードに替えます。満腹感が心配なら、低カロリーの野菜トッピングや食事の分割が助けになります。いきなり半分に減らす極端なダイエットは、筋肉だけ落ちてリバウンドが来るので禁物です。
太った子に急に登山と駆け回りをさせるのは、関節に危険です。始まりは、普段の散歩の時間を10~20%延ばすことから。平地歩きを基本に、体が軽くなる分だけ強度を上げてください。夏は暑さで運動量が減りやすいので、早朝の散歩に時間を移して、室内のノーズワークと引っ張りっこで活動量を補えば大丈夫です。水泳が可能な環境なら、関節に負担のない最高の運動です。
減量の半分は散歩です。クンクンにお散歩を残すと距離と時間が日付別に積み重なり、歩いた日には足あとスタンプが付くので、今週の運動量が目標に届いたかひと目で見えます。上から撮った体型の写真を同じ日に上げておけば、変化も一緒に残ります。
足あとスタンプをために行く →計画は完璧だったのにやせないなら、犯人はだいたいこの中にいます。こっそりあげる家族(合算管理の失敗)、トレーニングおやつの未計算、食卓の下に落ちるかけら、そして甘えた顔に崩れる心。特に最後が強敵ですよね。ねだる視線におやつで応える習慣を、遊びと散歩で応える習慣に替えるのが、ダイエットの隠れた核心です。あの子が求めているのは実はおやつそのものより飼い主さんの反応なので、5分の遊びでも十分に満足するケースが多いです。
食事と運動を数か月きちんと管理しているのに体重がびくともしなかったり、むしろ増えたなら、甲状腺機能低下症のようなホルモンの問題かもしれません。やけに寒がって、毛がぱさついて、元気が落ちる症状が重なればなおさらです。こういうケースは意志の問題ではなく検査の領域なので、ダイエットの履歴を整理して病院と相談してください。逆に、ダイエットを始める前に健康状態を確認してもらうのも、特にシニア犬や持病のある子には、順序として先です。
この記事は一般的な情報提供のための参考資料であり、専門的な診断と治療に代わるものではありません。愛犬の症状と治療は、必ず獣医師にご相談ください。