うちのグルム(「雲」という意味の名前です)は、私の前でおなかを見せると、脚をすっと伸ばして目を閉じます。ところが散歩友だちのペック(珍島犬)に初めて会った日には、同じようにおなかを見せながらも、目はペックをずっと見て、しっぽを脚の間に入れていました。同じ姿勢なのに、ひとつは「なでて」で、もうひとつは「私、危なくないです」だったのです。
おなか見せは信頼、回避、降参、楽さの4つのどれかです。体がふにゃふにゃで口が開いていれば「なでて」という信頼で、体が固まっていて、しっぽを巻き込んで視線をそらせば、恐怖から出た降参の姿勢です。降参の姿勢のときおなかを触ると、あの子はもっと怖くなります。目としっぽと体の力、3つを先に見てください。
おなかは、犬の体でいちばん弱い場所です。それをさらすというのは「私は今、あなたを攻撃する気がない」という意味なのですが、その理由は「楽だから」かもしれず、「怖いから」かもしれません。人はおなかを見ると反射的に手が行きますが、手を差し出す前に、下の表でどちら側なのか確認する習慣が必要です。
| 種類 | 状況 | 体の力 | 目としっぽ | 対応 |
|---|---|---|---|---|
| 信頼、愛情 | 飼い主の横で休むとき | ふにゃふにゃ、脚を伸ばす | 目を閉じるか半分、しっぽはのんびり | ゆっくりおなかをなでる |
| もめごとの回避 | 他の犬が近づくとき | 少し緊張 | 相手を横目で、しっぽは低い | 介入せず見守る |
| 降参、恐怖 | 叱られるとき、見知らぬ人の前 | 固まる、脚を縮める | 視線をそらす、しっぽを巻き込む | 触らず下がる |
| 楽さ、涼しさ | 暑い日の床で | 完全にゆるむ | 眠ることも | そのままに |
触っていいおなかは、後ろ足がカエルのように開いて、前足が力なく畳まれています。口は少し開いて、舌が見えることもありますね。だめなおなかは、後ろ足をおなかのほうへ縮めて、前足を胸に付けています。体が片側へ少しねじれていて、おなかを見せながらも、視線が相手を離れません。この姿勢で手を伸ばすと、おしっこを漏らしたり、瞬間的に噛むことがあります。怖くて出た反応なので、叱ることではありません。紛らわしければ、手を差し出さず一歩下がってみてください。信頼だったなら、あの子が体をもっと広げて、降参だったなら、そこでやっと起きて席を離れます。
これは飼いながら学んだのですが、見知らぬお客さんがグルムのおなかを触ると、グルムはおなかを見せたまま凍り付きます。それを「おとなしいね」と触り続けると、その次からその方の足音で部屋へ隠れます。おなかを見せたからといって、許したのではありません。
これは昔「序列の服従」と呼ばれたのですが、最近は、もめごとを避ける社会的な技術と見ます。「私は戦う気がないから、もう近づかないで」という言葉ですね。体の大きい犬の前で小さい犬がやるケースが多く、遊びの最中に興奮が行きすぎたら「ちょっと止まろう」という意味でも出ます。このとき飼い主さんが割り込んで抱き上げると、むしろ会話が切れます。相手の犬がにおいをかいで下がれば、正常に終わったのです。ただ、相手が下がらず乗り続けたり、うちの子が悲鳴を上げたら、そのとき離してください。
初めて脚をすっと伸ばしておなかを見せた日は、あの子が心を開いた日です。その写真をクンクンに上げておけば投稿に日付が残って、「いつから信じ始めたのか」という質問に答えが残ります。迎えて3週間目だったのか3か月目だったのかが、そのまま見えます。
今日の様子を写真に残す →手のひら全体で、胸からおなかのほうへゆっくりなで下ろしてください。指先でかくようにやったり、おへその近くを強く押すと、ほとんど嫌がります。後ろ足の内側は敏感な場所なので、初めて見る人は避けるのが良いです。
脇腹やおなかをかくと、後ろ足が宙をける子がいます。皮膚の反射の反応なので、気持ちいいからというより、神経が刺激されて出るのです。かわいいですが、その部位をかき続けるのは、かゆがっているのかもしれないので、別の場所へ移してあげてください。
なでている最中に体が固まったり、頭を上げて手を見たり、唇をなめたら、「もうやめて」という意味です。手を離して、あの子がまた近づいてきたら続けて、起きて行ってしまったら、その日はそこまでです。
おなかを見せるというのは、犬にできるいちばん大きな言葉のひとつです。その言葉が「信じてます」なのか「怖いです」なのか見分けてあげるだけでも、あの子はずっと安全だと感じます。触りたい手を3秒だけ我慢して、目を先に見てあげてください。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。