犬の豆知識 › 行動・気持ち

犬のカーミングシグナル10
うちの子の気持ちを読むサイン総まとめ

2026年3月1日

うちのグルム(「雲」という意味の名前です)を迎えた最初の年、私はあの子が怖がっているということを、吠えるときだけ分かっていました。カーミングシグナルという言葉を知ってから見ると、吠える前に頭をそらして、鼻をなめて、あくびをして、体を振って、そうやって10回は話していたんですよね。私が聞こえていなかっただけでした。

ひと目で分かる答え

カーミングシグナルは、犬が緊張をほぐして衝突を避けようと送る、小さなしぐさです。頭をそらす、鼻をなめる、あくび、体を振る、ゆっくり動く、座る、背を向ける、においをかぐ、まばたき、曲線で近づくが代表的です。このサインが見えたら、その状況を止めるか距離を取るのが対応です。無視すると次の段階がうなりと吠え、その次が噛みです。

散歩中に近づいてくる大きな犬を見て、頭を横にそらして鼻をなめる白いビションフリーゼ
頭をそらして鼻をなめている最中です。「私は平気だから、ゆっくり来てね」という意味です。

カーミングシグナル10は、何?

ノルウェーのトレーナーが、オオカミと犬を長く観察して整理した概念です。犬同士はこのサインでけんかなしに関係を調律するのですが、人はほとんど読めません。下の10が、いちばんよく見られる物です。ひとつだけ出たら偶然かもしれませんが、2つ3つが続けて出たら、確実なサインです。

番号サイン様子主にこんな状況で
1頭をそらす視線と顔を横へ正面から近づく人や犬
2鼻をなめる舌が鼻先を速くかすめるカメラ、お客さん、病院
3あくび眠くないのに短く叱られるとき、抱かれたとき
4体を振るぬれていないのにぶるぶる緊張の状況が終わった直後
5ゆっくり動く動作が遅くなり、ためらう飼い主が怒ったとき
6座る、ふせる急に姿勢を低くする興奮した犬が近づくとき
7背を向ける相手に横や背中を見せる遊びが過熱するとき
8においをかぐ急に床をクンクンする見知らぬ犬と出くわしたとき
9まばたき目をやわらかく何度も目が合うとき
10曲線で近づく直線ではなく半円を描く初めて見る犬への接近

このサインを見たとき、何をすべき?

たったひとつです。今やっていたことを止めるか、距離を延ばすこと。近づけていた手を止めて、カメラを下ろして、リードをゆるめて方向を変えて、叱っていた声を低くしてください。サインを受け止めてあげると、犬は「言葉が通じた」ということを学んで、もっと小さく、もっと早く話し始めます。逆にサインを無視され続けると、小さな言葉をあきらめて、いきなりうなったり噛む子になります。人が「警告なしに噛んだ」と言うケースのかなりの部分が、こういう背景です。

これは飼いながら学んだのですが、グルムが散歩中に急に床のにおいをかぐと、前はリードを引いて急かしていました。今は頭を上げて前を見ます。10のうち8は、あの先から他の犬が来ています。グルムはあの犬に「私は脅威じゃないよ」と話している最中だったのです。

飼い主も、カーミングシグナルを送れる?

はい、そして効果がなかなか良いです。怖がっている犬に近づくときは、正面ではなく曲線で、体を横に向けたまま、目をまっすぐ見ずにゆっくりまばたきしながら行ってください。興奮した子の前では、座ったり背を向けると、落ち着きが速くなります。あくびも通じます。叱る代わりに大きくゆっくりあくびをすると、あの子は「この人は戦う気がないんだな」と体から力を抜きます。初めて会う犬に手の甲を差し出して正面から行くのは、人の基準ではマナーですが、犬の基準では挑発に近いです。

サインが多かった日は、散歩が短く終わります

カーミングシグナルが多かった日は、やけに短く歩いて家へ方向を変えるケースが多いです。クンクンにお散歩を残しておくと距離と時間が日付別に積もって、普段より短く終わった日がひと目で見えます。短くなった散歩も、あの子が送るサインのひとつです。

今日のお散歩を残す →

場面別にサインを読む練習

お客さんが来たとき

お客さんが手を伸ばすとき、うちの子が頭をそらして鼻をなめたら「まだですよ」と代わりに言ってあげてください。お客さんが座って横を見ていれば、あの子が自分からにおいをかぎに行きます。そのときが、触ってもいい時点です。

子どもと遊ぶとき

幼い子どもが抱いたり乗ったとき、犬があくびをして体を固めたら、我慢している最中です。このサインを逃すと次の段階はうなりで、子どもに危険です。大人がサインを代わりに読んであげるのが、安全の核心です。

写真を撮るとき

カメラを向けると、鼻をなめて頭をそらす子が多いです。レンズが大きな目のように見えますから。カメラを下ろして横から撮って、シャッターの音の後におやつをあげると、だんだんサインが減ります。

犬は、もともとおしゃべりな動物です。私たちが吠えだけを言葉と数えていただけですね。今日の散歩で、あの子が何回頭をそらすのか数えてみてください。その数だけ、あの子が私たちにしていた話です。

よくある質問

カーミングシグナルとストレスのサインは、別の物ですか?
重なる部分が多いです。カーミングシグナルは相手を落ち着かせようとする社会的なサインで、ストレスのサインは自分の状態を表す反応なのですが、あくびや鼻なめのように、どちらにも使われる動作が多いです。どちらでも対応は同じです。刺激を減らすことです。
うちの犬はカーミングシグナルを無視してかかっていくのですが、なぜですか?
社会化の時期に他の犬と十分に過ごせないと、サインを学べません。こういう子は、相手がどれだけサインを送っても近づき続けて、けんかを招きます。落ち着いた成犬の友だちと短く何度も会って学ばせて、ひどければトレーナーの助けを受けてください。
床のにおいをかぐのは、全部カーミングシグナルですか?
いいえ。散歩中のにおいかぎのほとんどは、情報の収集であり楽しみです。他の犬や人が近づいてくる瞬間に急に鼻を突っ込むケースだけ、サインと見れば大丈夫です。
犬が目をそらすのは、罪悪感を感じているのですか?
罪悪感ではなく、飼い主さんの怒った声と姿勢へのカーミングシグナルです。いたずらの直後でもそうでなくても、飼い主さんが怒れば同じように目をそらします。だから、後から叱るのは効果がありません。
体を振るのが、なぜ落ち着かせるサインなのですか?
緊張で上がった筋肉の力を振り落とす動作です。ストレスの状況が終わったとき、あるいは流そうとするときに出ます。人が大きく息を吐くのと似ています。頻繁に振るなら、それだけ緊張の状況が多かったという意味なので、原因を見てみてください。

この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。