動物病院の待合室で、うちのグルム(「雲」という意味の名前です)があくびを続けて3回するので、「疲れたんだね」と思いました。ところが家に帰って考えてみたら、あの子は朝たっぷり眠って出てきたところでした。あのあくびは眠気ではなく「ここ、怖いです」だったのです。それからあくびを、別の目で見るようになりました。
犬のあくびは、眠気のほかに緊張、カーミングシグナル、共感という3つの意味がさらにあります。楽な場所でゆっくり音なしでするあくびは眠気で、病院や見知らぬ犬の前で短く頻繁に出て、唇をなめたり視線をそらす動作が付けば、ストレスのあくびです。このときは、その状況からちょっと抜いてあげるのが答えです。
人はあくびをほとんど眠気や退屈にだけ使いますが、犬にとってあくびは、感情を調節する道具です。緊張が上がってくるとき自分を落ち着かせようとしてやって、相手に「私、戦う気ないよ」と知らせようともします。だから、どこで、どんな姿勢で、何の動作と一緒にあくびするのかが、見分けのすべてです。
| 種類 | 状況 | 様子 | 一緒に出る動作 |
|---|---|---|---|
| 眠気のあくび | クッション、眠る前後 | ゆっくり大きく、目が閉じる | 伸び、体のゆるみ |
| ストレスのあくび | 病院、見知らぬ犬、叱られている最中 | 短く頻繁、目を開けたまま | 唇なめ、視線そらし、体を振る |
| カーミングシグナルのあくび | 他の犬や人が近づくとき | 頭を少しそらしながら | ゆっくり動く、座る |
| 共感のあくび | 飼い主があくびした直後 | 数秒以内にまねる | 特別な動作なし |
| 期待のあくび | 散歩の準備、ごはんの準備中 | クンクンの声が混ざる | うろうろ、しっぽ振り |
いちばん確実なのは、状況です。今ぐっすり眠って起きた子が、見知らぬ場所であくびをするなら、眠気のはずがないでしょう。2番目は、あくびの前後の動作です。鼻をなめて、頭をそらして、体をぶるぶる振って、その間にあくびが挟まれば、ほぼ確実に緊張のサインです。3番目は、頻度です。眠気のあくびは1、2回ですが、ストレスのあくびは数分の間に3、4回ずつ出ます。4番目は、音です。眠気のあくびは終わりに小さな声が混ざって長く伸びるのに、緊張のあくびは音なしに短く終わるケースが多いです。
これは飼いながら学んだのですが、グルムは私が声を高くすると、すぐあくびをします。最初は「叱っているのにあくびなんて」と思ってもっと怒ったのですが、分かってみればあれが「やめてください」という言葉でした。今はそのあくびが出たら、私が先に声を低くします。
「普段、ストレスのサインはありますか」という質問に、言葉で答えるのは難しいです。見知らぬ場所であくびをする瞬間を短く撮ってクンクンに上げておけば投稿に日付が残って、診察のときそのまま見せられて、いつからそうなのかもすぐ答えられます。
うちの子の動画を残す →トレーニングが長すぎるか難しいというサインです。その場で簡単な動作をひとつさせて、ほめて終えてください。あくびが出た後も押し付けると、次のトレーニングから席を避けます。
お客さんが頭を触っている間にあくびをするなら、我慢している最中です。「今は触らないほうが良さそうです」と代わりに言ってあげてください。犬が自分から近づくまで待たせれば、次はあくびなしにあいさつします。
カメラを正面から向けるのが、犬には凝視と似ています。横から撮ったりカメラを低くして、シャッターの音に慣れる時間をあげてください。
あくび1回が何だと思うかもしれませんが、犬は吠える前に、10回くらいこうやって小さな話をします。あくびを読み始めると、あの子がずっとおしゃべりな存在だったと分かります。そしてその話を聞いてあげる瞬間から、関係が少し変わります。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。