散歩というよりソリ引きみたいな日、ありますよね。腕は抜けそうで、あの子はカッカッと鳴いて。リードの引っ張りは、力で勝つのではなく原理で解く問題です。原理はたったひとつ。引っ張ると前に進めない、と教えることです。
核心の原理は引っ張っている間は絶対に前進しないことです。4ステップで進めましょう。ステップ1、引っ張ったらその場で止まる。ステップ2、リードがゆるんだら出発。ステップ3、ひどいときは方向転換。ステップ4、隣を歩いているときにおやつでごほうび。一貫性さえ守れば、数週間で変わります。
簡単です。引っ張ると前に進めるからです。引っ張るたびに飼い主さんが引きずられてあげていたなら、その子の中では「引っ張り」が成功戦略として学習されているんです。だから矯正も逆をやればいい。引っ張りがもう通用しない経験を積むことです。
| ステップ | 方法 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 止まる | リードがピンと張った瞬間、その場で停止 | 何も言わず、ただ止まる |
| 2. 出発の合図 | リードがゆるんだらまた歩く | ゆるみ=前進という公式 |
| 3. 方向転換 | ひどく引くなら反対方向に回る | どこへ行くかは飼い主が決めるという合図 |
| 4. ごほうび | 隣を並んで歩いているときにおやつとほめ言葉 | 良い位置を良い記憶に |
最初の数日は、散歩ではなく「止まる大会」になります。100メートル進むのに20分かかります。正常です。私もうちのグルム(「雲」という意味の名前です)とこれをやっていたとき、近所を一周できずに帰ってきた日がありました。ところが不思議なことに、1週間ほどたつと、リードがゆるんでいる時間が目に見えて長くなったんです。
家族の中の誰かひとりでも、引っ張る子にそのまま引きずられてあげてしまうと、訓練は振り出しです。ルールが人によって違うと、その子は混乱しますから。散歩するすべての家族が同じ原則を使っているか、必ずそろえてください。
そして首輪よりは、胸に荷重が分散されるハーネスをおすすめします。訓練中は引っ張る瞬間がずっと生まれるので、その力が首に繰り返しかかると気管に負担がかかることがあるからです。
同じ道を歩く時間が長くなっているなら、引っ張りが減っているという意味です。前へ引きずられる代わりに、隣で歩いてにおいを嗅ぐ時間が増えたということですから。クンクンにお散歩の時間と距離が日付別に残るので、トレーニングの成果がそのまま見えます。
お散歩記録をはじめる →リードの引っ張りの半分は、玄関から始まります。リードを出しただけでぴょんぴょん跳ねる子を、その状態のまま連れて出れば、扉の外でロケットになるのは当然です。だから「出発の儀式」を作ることをおすすめします。リードをつけて、その子が座って落ち着くまで待ってから扉を開けること。興奮すると出発が遅れる、と学べば玄関のテンションが下がり、散歩全体のテンションも一緒に下がります。
散歩の最初の5分にもコツがあります。出てすぐ楽しい方向(公園の方)へ直進せず、家の前を一周しながらにおいを嗅がせてあげてください。序盤の興奮が抜けてから本コースに入ると、引っ張りが目に見えて少なくなります。
矯正トレーニングで見落としやすいのが、「うまくやっている瞬間」のごほうびです。引っ張ったら止まる、ばかりだと、散歩が罰の連続になってしまいます。リードがゆるんだまま隣を歩いている数秒を見つけるたびに、おやつと声でほめてあげてください。隣を歩くのが世界でいちばん得だ、という計算が立った瞬間、その子は自分から隣に来ます。訓練の完成は、抑え込みではなく「選択」なんです。
リードの引っ張りの矯正は数週間のプロジェクトですが、完成すれば残り十数年の散歩が楽になる投資です。肩が抜けそうな散歩と、並んで歩く散歩の違いは、経験した人にしか分かりません。今日から「止まる」、始めてみてください。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。