うちの子がもうシニアだなんて。フード売り場の「シニア犬用」の表記を見るたびに、少し胸がざわつきますよね。でも、いつからシニアフードを食べさせるべきかは、年齢の数字だけで決めるものではありません。基準と方法を、ゆっくり整理してお届けします。
一般的に小型犬は9~10歳、中型犬は8歳、大型犬は6~7歳ごろからシニアフードへの切り替えを検討します。ただし数字より重要なのは、体のサインです。活動量の減少、体重の増加、噛む速さの変化が見えたら、健康診断とあわせて獣医師と切り替えを相談して、替えるときは7日かけてゆっくり混ぜていきます。
| サイズ | 検討の時期 | 理由 |
|---|---|---|
| 小型犬(10kg未満) | 9~10歳 | 老化が比較的遅く始まる |
| 中型犬 | 8歳前後 | 中間の速度 |
| 大型犬(25kg以上) | 6~7歳 | 老化が速く進む |
同じ年齢でも、老化の速度はその子ごとに違います。だから時期の最終判断は、年齢表ではなく体です。活動量が目に見えて減った、同じ量を食べているのに太る、硬いフードを噛む速さが遅くなった、うんちの状態が以前と違う。このうち2つ3つが重なったら、健診とあわせて切り替えを相談するときです。
核心は3つです。1つ目、カロリーを下げて、代謝の遅くなった体に合わせます。2つ目、関節の成分(グルコサミンなど)と消化の良いタンパク質を補強します。3つ目、粒が小さかったりやわらかい製品が多く、噛む負担を減らします。つまり同じごはんではなく、遅くなった体に合わせた設計です。成犬フードをそのまま食べさせて量だけ減らすより、設計の違うごはんに替えるのが正しい理由です。
ただし、腎臓や心臓などの疾患が見つかった子なら、一般のシニアフードではなく療法食が優先かもしれません。だから切り替えの前に健康診断をおすすめするわけです。健診の結果が、切り替えの方向を決めてくれます。
年を取った腸は、変化にいっそう敏感です。最初の2日は今までのフード75%に新しいフード25%、次の2日は半々、その次の2日は25対75、最後の日に100%。この標準速度もシニア犬には速いことがあるので、うんちがゆるければその段階で数日長くとどまってから進めてください。10日、2週間かかっても大丈夫です。急ぐ理由はひとつもありません。
フードの切り替えを考えるタイミングは、体のサインが教えてくれます。クンクンにお散歩を残すと距離と時間が日付別に積み重なるので、歩く時間が減っていく傾向が見えます。その変化が、シニアフードと健康診断を相談するタイミングです。
今日のお散歩を記録する →シニアフードに替えても、硬さが負担な子たちがいます。ぬるま湯や無塩のだしに10~15分ふやかしてあげると、香りも立って噛むのも楽になります。ウェットフードをトッピングで混ぜる方法も良いです。ただしふやかしたフードは傷みやすいので、食べ残しはすぐ片付けて、歯の状態が急に悪くなったのなら、フードの問題ではなく歯科の問題かもしれないので、口の中の検診を先に受けてみてください。ごはんをゆっくり食べるのが、歯が痛いからというケースは思ったより多いです。
シニアへの切り替えでよくある失敗が、体に良いからと、食べないシニアフードを押し付けることです。年を取るほど、食事の楽しみが生活の質に占める割合は大きくなります。食いつきがどうしても合わなければ別のシニア製品を試して、それでもだめなら、よく食べていたフードにシニア用のトッピングと栄養の補いをのせる折衷案も、獣医師と相談してみる価値があります。よく食べるごはんが、結局良いごはんです。数字に追われず、うちの子の速度で行ってください。うちのグルム(「雲」という意味の名前です)はまだシニアフードの前ですが、新しいフードに警戒する性格なので、今からぬるま湯をかけて香りを立たせる習慣をつけています。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。