うちのグルム(「雲」という意味の名前です)の散歩友だちのボミは、保護施設出身のミックス犬です。耳は柴犬、体はスピッツ、しっぽは何だか分かりません。病院で犬種を聞かれると、ボミの飼い主さんは「ボミ種」と答えます。ところがボミは7歳なのに、病院へ行く用事がほとんどありません。ミックス犬は純血種に劣るという言葉を聞くと、私はボミの話をします。
ミックス犬は遺伝疾患のリスクが低く、寿命が少し長い傾向があって、世界にひとつだけの外見と性格を持ちます。その代わり、子犬のとき成犬の大きさと性格の予測が難しく、犬種別の情報をそのまま当てはめられません。保護施設の犬のほとんどがミックス犬なので迎えやすく、「純血種に劣る犬」というのは根拠のない偏見です。
純血種は、特定の外見を作るために近い血統同士で長く交配して作られました。その過程で、犬種ごとに特定の遺伝疾患が付いて回ります。ゴールデンの股関節、ダックスフンドの椎間板、キャバリアの心臓、マルチーズの膝蓋骨のように。ミックス犬は遺伝子の組み合わせが多様で、同じ欠陥の遺伝子が両側から重なる確率が低いです。これを雑種強勢と呼んで、実際に複数の研究で、ミックス犬の遺伝疾患の発症率が低く、平均の寿命が少し長い傾向が報告されました。
| 比較 | ミックス犬 | 純血種 |
|---|---|---|
| 遺伝疾患 | リスクが低い側 | 犬種別の特定疾患のリスク |
| 寿命 | 少し長い傾向 | 犬種別の差が大きい |
| 外見 | 予測が難しい、個性的 | 予測が可能 |
| 性格 | 個体ごとに違う | 犬種の傾向を参考にできる |
| 成犬の大きさ | 子犬のとき予測が難しい | 標準の範囲の中 |
| 迎えるルート | 保護施設、知人からがほとんど | ブリーダー、ペットショップ、一部の保護施設 |
| 費用 | 譲渡ならほぼ無料 | 購入価格あり |
※ミックス犬でも、特定の純血種同士の交配(マルプー、ゴールデンドゥードルなど)は、両方の犬種の疾患をどちらも持ち得ます。雑種強勢は、多様な組み合わせほど強いです。
これはボミの飼い主さんに教わったのですが、ミックス犬はマニュアルがない代わりに、偏見もないんですよね。「この犬種はもともと吠える」という言い訳なしに、ボミそのものを見るようになると。
保護施設の犬のかなりの部分がミックス犬です。田舎の外飼いの犬の子、遺棄された犬たちの間で生まれた子、手術をしていない犬の無分別な繁殖。純血種に比べて売買の市場がないので、施設へ来る比率が高いわけです。だからミックス犬を迎えるのは、施設の子に2度目の人生をあげることでもあります。ミックス犬を考えているなら、保護施設から行ってみてください。ボミのような子が待っています。
ミックス犬の写真には「何の犬種?」というコメントが先に付いて、「かわいい」という言葉で終わります。犬種の名前がないので、むしろ顔が記憶に残ります。クンクンに上げた写真には日付が残ってご近所のわんちゃんたちのいいねが付いて、ひとつだけの顔がご近所で知られていきます。
ご近所のわんちゃんに自慢する →犬種のマニュアルがないので、うちの子が何を好きで何を怖がるのか、直接見る必要があります。においをかぐのが好きなら猟犬の血が、何かをくわえてくるなら回収犬の血が、かかとを噛むなら牧羊犬の血が混ざっているかもしれません。その特性に合わせて、遊びとトレーニングを調整してください。
遺伝病が少ないからと、病院へ行かなくていいわけではありません。定期の健診、接種、予防薬は、純血種とまったく同じに必要です。特に成犬の大きさが分からないときは、子犬のフードの給餌量を病院と相談してください。
気になるなら、遺伝子検査のキットで親の犬種を推定できます。正確さは完璧ではありませんが、どんな犬種の特性が出るのか参考になって、特定の遺伝疾患のリスクも一緒に教えてくれる製品があります。
ミックス犬は、純血種の代案ではなく、それ自体で良い選択です。健康で、個性があって、ほとんどは保護施設で待っています。ボミは、犬種の名前の代わりに「ボミ」という名前ひとつで十分な犬です。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。