うちのグルム(「雲」という意味の名前です)の散歩友だちに、保護施設出身のミックス犬ボミ(「春」という意味の名前だそうです)がいます。初めて会ったころは人の手が上がるとびくっとする子だったのに、半年後にはグルムより先におなかを見せるんですよね。ボミの飼い主さんに迎える過程をひとつひとつ聞いて、その話を整理します。準備なしに始めると、あの子と飼い主さんの両方がつらくなることなので。
保護犬を迎えるのは施設の訪問、相談と申し込み、対面してから決定、譲渡契約の順で進んで、連れてきた後は3日・3週間・3か月の原則を覚えておいてください。3日は警戒、3週間は慣れ、3か月が過ぎてこそ本当の性格が出ます。それより前に判断しないことが、飼育放棄を防ぐ最初のルールです。
自治体の動物愛護センターと民間の団体では、手続きが少し違います。センターは比較的シンプルで、団体は面談と家庭訪問があるケースが多いです。厳しく感じるかもしれませんが、その分、飼育放棄が少ないです。
| 段階 | 自治体の動物愛護センター | 民間の保護団体 |
|---|---|---|
| 1. 探す | 環境省の収容動物検索サイトや自治体の公示ページで確認 | 団体のホームページやSNSの譲渡の案内 |
| 2. 申し込み | 訪問または電話の問い合わせ、申込書の記入 | オンラインの申込書+面談(電話や訪問) |
| 3. 対面 | センターを訪問して直接会う | 預かり先を訪問、何度か会うことも |
| 4. 契約 | 譲渡誓約書、登録の手続き(畜犬登録、マイクロチップの変更登録) | 譲渡契約書、家庭訪問、譲渡費用(団体ごとに異なる) |
| 5. その後 | ほとんどなし | 1~3か月の近況の確認、問題があれば相談の支援 |
※公示の期間(自治体により数日~1週間ほど)が過ぎた収容動物は、殺処分の対象になり得ます。公示中の子は元の飼い主さんが引き取る可能性があるので、期間の終了後に譲渡が確定します。
これはボミの飼い主さんに教わったのですが、保護犬を迎えるうえでいちばん重要な数字が「3」なんですよね。最初の3日は警戒して隠れて食べません。3週間ほどになると家の中のルールを把握して、飼い主さんを信頼し始めます。3か月が過ぎてこそ緊張が完全にほどけて、本当の性格が出ます。ボミは3か月目に、初めておもちゃをくわえてきたそうです。それまでは静かでおとなしい子だと思っていたら、実は緊張していたのだと。この期間を知らずに最初の週に「うちと合わない」と判断するのが、飼育放棄のよくある理由です。
初日に隅で丸まった姿、3週間目に初めてしっぽを振った瞬間、3か月目におなかを見せて眠る姿は、それぞれ別の段階です。クンクンに上げた写真には日付が残るので、つらい日にフィードをさかのぼれば、ここまで来たということが見えます。保護犬を迎える道は、その記録が飼い主さんを支えます。
今日の様子を写真に残す →虐待の経験があったり、人の手を知らない子は、手が上がるとびくっとします。上から下ろす手の代わりに下からゆっくり、手の甲からにおいをかがせてください。数週間かかります。無理になでると後退します。
施設でケージの中に排泄していた習慣があって、室内トイレの概念がないケースが多いです。子犬のように最初から教えると考えてください。成犬も2~4週間で落ち着きます。
飢えた経験のある子は、ごはんの器を守ったり急いで食べます。器の近くへ行かず、決めた時間に十分あげれば、数週間後に和らぎます。手からあげるおやつは、信頼を積むのに良いです。
捨てられた経験のある子は、飼い主さんが出かけると、また捨てられたと感じます。最初の週はできる限り一緒にいて、5分から始めて、ひとりでいる時間をとてもゆっくり延ばしてください。
保護犬を迎えるのが、特別に難しいわけではありません。過去の分からない子を、3か月の間信じてあげる仕事なだけです。ボミは今、ご近所でいちばんよく笑う犬です。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。