うちのグルム(「雲」という意味の名前です)は、私が運動して帰ってくると、ふくらはぎを執ようになめます。最初はうれしくてやっているのかと思ったら、分かってみれば、汗の塩味が好きだったのでした。なめる理由はひとつではありません。5つを見分けると、うちの子が今何を話しているのか見えます。
犬が人をなめる理由は愛情、要求、味とにおい、なだめ、不安の5つに分かれます。いつ、どこを、どれくらい長くなめるのかが、見分けの基準です。うれしくあいさつしながら短くなめれば愛情で、ごはんの時間や散歩の前になめれば要求、汗をかいた部位を集中的になめれば味、見知らぬ状況で果てしなくなめれば不安です。
なめることは、犬が生まれていちばん最初に学ぶ、意思疎通の方式です。母犬が子犬をなめて世話をして、子犬は母犬の口をなめて食べ物を要求します。だから成犬になっても、なめることは、愛情と要求となだめが一度に詰まった行動として残ります。問題は、人がそれを「キス」としか読まないことです。状況を分けてみると、意味が分かれます。特に、いつ始まっていつ止まるのか、そしてなめている間、視線がどこにあるのかを見れば、10のうち9は見分けられます。
| 順位 | 理由 | いつ、どこを | 見分けのサイン |
|---|---|---|---|
| 1 | 愛情、あいさつ | 帰宅の直後、手と顔 | しっぽとお尻が一緒に揺れる、すぐやむ |
| 2 | 要求 | ごはんや散歩の時間、手 | なめては見つめて、またなめるの繰り返し |
| 3 | 味とにおい | 汗をかいた場所、食べ物を触った手 | 特定の部位だけ執ように |
| 4 | なだめ、落ち着かせ | 飼い主が泣いたり怒ったとき | 慎重に近づいてゆっくり |
| 5 | 不安、習慣 | 見知らぬ場所、ひとりでいる前後 | 終わりがなく、自分の体もなめる |
あいさつや要求で短くなめるのは、何の問題もありません。ただ、別の物が2つあります。ひとつは、人の顔、特に口の周りをなめること。犬の口には人に移り得る細菌があるので、幼い子どもや免疫の弱い方がいるなら、手までだけ許すのが良いです。もうひとつは、止まらないなめです。手をどけても腕へ、腕をどけても自分の前足へと続くなら、愛情ではなく不安の側です。
これは飼いながら学んだのですが、グルムが不安なときなめるのは、私の手ではなく私の服なんですよね。見知らぬ家へ行くと、私のひざの上のズボンを果てしなくなめます。それを知ってからは、なめ始めたら「ああ、今、居心地が悪いんだな」と席を移してあげます。
なめる時間がいちばん長くなる日は、一日中退屈だった日です。クンクンでご近所のわんちゃんの友だちに会って遊ぶ日が増えると、家で口で表現するのが目に見えて減ります。お散歩完了の投稿がご近所フィードに出て、似た時間に歩く友だちを探しやすいです。
ご近所のわんちゃんに会いに行く →うれしさは受け止めつつ、顔は避けてください。ひざを曲げて目線を低くして手を差し出せば、手をなめて終わります。顔をなめさせておくと、飛び付く習慣まで固まって、お客さんにも同じことをします。
これは止めないでください。犬が飼い主さんのにおいと声の変化を読んでやる、なだめの行動です。このときなめることは、犬自身を安定させる効果もあるので、受け止めてあげれば2人とも楽になります。
人をなめるのとは別の問題です。アレルギー、傷、関節の痛み、そしてストレスが原因かもしれません。ひとつの部位を何日もなめて、毛がぬれていたり抜けたら、病院へ行ってください。
なめることは、犬が持つ数少ない「手」です。私たちに触りたくて、お願いしたくて、なだめたくて使います。ひどすぎるのだけ調節して、残りはあの子の言葉として聞いてあげてください。手の甲を1回なめることに込められた心は、思ったより大きいです。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。