今の家へ引っ越してきた日、うちのグルム(「雲」という意味の名前です)は、がらんとした前の家のリビングの真ん中に立って、私を見上げました。クッションも食器も、もうトラックに積まれた後でしたね。あのときのグルムの表情が忘れられません。あの失敗ひとつが、引っ越しの後の1週間のトイレの失敗として返ってきました。次にまた引っ越すなら、順序を完全に変えるつもりです。
核心は犬の物を最後に詰めて、いちばん最初に開けることです。クッション、食器、おもちゃ、トイレシートは引っ越しの日の朝までその場所に置いて、新しい家に着いたら、荷物より先にひとつの部屋にそのまま配置してください。引っ越しの当日は、犬を知人の家やペットホテルに預けるのがいちばん安全で、新しい家の初日は、ごはんと散歩の時間を前の家とまったく同じに守ります。最初の週のトイレの失敗と吠えは正常なので、叱らないでください。
犬にとって引っ越しは、「家が消える事件」です。慣れたにおいと場所がひとつずつ箱に入っていくのを、何日も見守るわけです。だから犬の物は最後までそのまま置いて、箱が増える間、散歩とごはんの時間は普段よりもっと正確に守るのがコツです。2週間前から始めてください。
| 時期 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 2週間前 | 空き箱をいくつか前もって置いて、おやつを隠す | 箱を悪いサインにしない |
| 2週間前 | 新しい家の近くの病院と散歩道の確認、登録の住所変更の準備 | 到着後に慌てない |
| 1週間前 | 引っ越し当日に預ける先の予約(知人、ホテル、ペットシッター) | 当日の脱走と事故の予防 |
| 前日 | 犬の物を除いた荷物の仕上げ、長い散歩 | 疲れていれば眠りでストレスを越える |
| 当日の朝 | 普段の時間のごはんと散歩、その後に預ける | ルーティンが守られたという安心感 |
| 当日の最後 | クッション、食器、おもちゃ、シートをひとつのかばんに | 到着後すぐ出して配置 |
引っ越しの当日は、玄関が一日中開いていて、見知らぬ人が出入りします。犬が脱走する事故が、この日いちばん多く起きます。預ける先がなければ、ひとつの部屋にクッションと水と一緒に置いて、ドアに「犬がいます、開けないでください」を貼ってください。新しい家に着いたら、荷物を開ける前に部屋をひとつ選んで、前の家と同じ配置で犬の物を置きます。その部屋から始めて、1、2日かけて家全体を探検させておいてください。初日のごはんと散歩は、前の家の時間そのまま。荷物の整理のせいでごはんが遅れるのが、初日のいちばんよくある失敗です。
これは飼いながら学んだのですが、グルムは新しい家で3日間、自分のクッションの外へほとんど出ませんでした。私は無理に連れて回って家の見物をさせたのですが、そうではなく、ただ置いておくべきでした。4日目の朝に自分から出てきてキッチンまで行って、そこからはあっという間でした。
引っ越してきた最初の1か月は、毎日別の方向へ短く歩くのが、慣れるのに良いです。クンクンにお散歩を残すと距離と時間が日付別に積もって、新しいご近所が「うちのご近所」になっていく過程が見えます。ご近所フィードにご近所のわんちゃんたちが現れ始めたら、慣れたということです。
今日のお散歩を残す →新しいご近所のにおいは、情報量がとてつもないです。最初から長い散歩をすると、あの子が疲れ果てます。家の前の1周を同じ道で数日繰り返して「ここがうちの道」を作ってから、少しずつ広げてください。においをかぐ時間を十分にあげるのが、この時期には歩く距離より重要です。
引っ越しの後の最初の1か月は、ストレスで下痢や嘔吐が出ることがあります。具合が悪いとき病院を探して慌てないよう、前もって行ってあいさつだけしておやつをもらう訪問を一度しておけば、病院も良い場所として記憶されます。
マンションなら、同じ階とエレベーターで会うご近所の方に、犬がいるということを先に知らせて、散歩でよく見かけるわんちゃんと、ゆっくりあいさつを始めてください。ご近所の友だちがひとりできれば、新しいご近所はその日から「うちのご近所」になります。
グルムは、今の家に来て1か月ほどたったころ、初めて新しい家でおなかを見せて眠りました。あの日、私も「これで引っ越しが終わったんだな」と思いました。引っ越しは、荷物を全部開けた日ではなく、あの子がおなかを見せる日に終わるんですよね。それまでは、ただ横にいてあげれば大丈夫です。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。