朝型の散歩と夜型の散歩、どっちが良いのかという質問をときどき受けます。どちらも長所がはっきりしているので、答えは飼い主さんの生活パターン次第です。ただ、1日1回しか出かけられないなら、私は夜に1票を投じます。
朝の散歩は排泄リズムと落ち着いた1日、夜の散歩はエネルギーの発散と熟睡が強みです。2回出かけられるなら朝は短く夜は長くが理想で、1回だけなら夜をおすすめします。エネルギーが残ったまま夜を迎えると、夜間の問題行動につながりやすいからです。
| 項目 | 朝の散歩 | 夜の散歩 |
|---|---|---|
| 排泄 | 夜のあいだ我慢した排泄を解消 | 寝る前の最後の排泄 |
| エネルギー | 1日を落ち着いてスタート | 1日分のエネルギーを発散 |
| 睡眠 | 影響は少ない | 熟睡に直結 |
| 夏 | 地面が冷えていて有利 | 夜8時以降に遅らせる必要 |
| 冬 | いちばん寒い時間帯 | 日が沈む前のほうが良い |
出勤前に30分を出せて、日中はその子がひとりで過ごすおうちなら、朝の散歩の価値は大きいです。朝のうちに排泄と探索の欲求を解消した子は、ひとりで過ごす昼の時間をずっと安定して過ごせます。分離不安の気質がある子ほど、朝の散歩の効果ははっきり出ます。
短所は時間のきつさですよね。出勤前の散歩はどうしても短く事務的になりがちですが、それでも出かけないより10分のほうがましです。
朝が戦争のおうち、そして夜にその子が寝つけなかったり明け方に起こしに来るおうちは、夜の散歩が答えです。夜に十分歩いてクンクンした子は、夜ぐっすり眠ります。うちも夜派なのですが、うちのグルム(「雲」という意味の名前です)が夜の散歩をたっぷりした日は、ソファからいびきが聞こえてきます。その音を聞きながら仕事をするのが、地味に癒やしなんです。
余裕のある時間帯なので、散歩の質も上がります。においを嗅ぐ時間をたっぷりあげられますし、ご近所のわんちゃんに会える確率も夜のほうが高いですよね。
理想の時間割より大切なことがあります。毎日守れるかどうかです。無理な早起き計画は3日で崩れて、そうなるとその子が混乱するだけ。自分の生活から毎日確保できる時間を選んで固定しましょう。犬にとって最高の散歩の時間は、毎日やって来る時間です。
クンクンにお散歩を残すと、何時に歩いたかが日付別に残ります。1か月分を見ると、うちが朝型なのか夜型なのか、週末はどう変わるのか、パターンが見えてきます。平日は夜、週末は朝、のように混ざったおうちも多いんです。
今週のお散歩を確認する →朝か夜かの答えは、季節の変数まで入れるとより正確になります。夏は朝が有利です。地面が冷えている唯一の時間帯だからです。夜派のおうちでも、真夏の2か月は早朝か夜9時以降に移すのが安全です。冬は逆に日のある時間が良いので、朝派のおうちが昼の散歩に移すこともあります。うちの基本形を決めておいて、季節ごとに柔軟に調整すれば大丈夫です。
季節の変わり目には寒暖差も変数です。同じ朝7時が夏は涼しく、春や秋は肌寒いこともあるので、時刻よりその日の気温を見て判断してください。
理想は朝と夜の2回ですが、現実は忙しいですよね。時間がない日の折衷案をいくつか挙げると、朝は排泄だけ解決する5分の超短時間散歩と夜の本番散歩の組み合わせ、あるいはデリバリーを待つ15分のすきま散歩。短くても出かけるのと、まったく出かけないのとの差は、思ったより大きいです。完璧な1日ではなく、まずまずの1日をこつこつ作るのが、散歩生活のコツです。
朝でも夜でも昼でも、犬が覚えているのは時刻ではなく、毎日その時間がやって来るという事実です。うちの事情に合う時間を選んで長く守ること。それがこの質問の本当の正解です。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。