カーペットにおしりを付けて、スキーを滑るようにずるあの気まずい動作、見たことありますよね。笑える場面のようで、実はあの子が送るサインです。肛門腺が不快だという意味の可能性が高いんです。私もリビングであの光景を初めて目撃して調べたのが、肛門腺という器官の存在でした。
肛門腺は肛門の両脇(時計で4時と8時の方向)にある分泌物の袋で、排便のとき自然に排出されるのが正常ですが、小型犬はうまくいかない子が多いです。おしりずり、しっぽのほうをしきりになめたり噛んだりする、生臭いにおいが、たまっているサインです。ケアはお風呂のとき2~4週間隔で絞ってあげるのが一般的で、やり方が未熟だと痛くさせてしまうことがあるので、最初は病院やトリミングサロンで習うことをおすすめします。
| 状態 | サイン | 対応 |
|---|---|---|
| 自然排出タイプ | サインなし、うんちに分泌物の跡 | 特別なケアは不要 |
| たまるタイプ | おしりずり、なめる、生臭いにおい | 2~4週間隔の排出ケア |
| 炎症の疑い | 肛門の脇が腫れて赤い、痛み、じゅくじゅく | 絞らずに病院 |
| 破裂 | 肛門の脇に穴、出血、うみ | 即病院 |
お風呂のときがいちばんのタイミングです。においがすぐ洗い流せますから。しっぽを片手で持ち上げて、ティッシュやガーゼを肛門に当てたら、4時と8時の方向の少し下を親指と人さし指でつまんで、肛門のほうへやさしく押し上げるように絞ります。茶色の生臭い分泌物が出れば成功です。分泌物が飛ぶことがあるので、正面は避けてください。力で握りつぶすのではなく、方向を作ってあげる感覚が正解です。何度やっても出なければ、無理しないでください。内側から絞るべき状態か、位置を間違えているのかもしれないので、病院やトリミングサロンでお手本を一度見て習うのがいちばん速いです。
数週間ごとにぱんぱんにたまって、ずりが繰り返される子がいます。分泌物がスムーズに排出されるには排便のとき適度な圧力が必要なのですが、うんちがゆるかったり運動量が足りないと、排出がうまくいきません。だから長期の管理は、絞る技術ではなく、うんちの硬さ(食物繊維のバランス)と運動量のほうにあります。食物繊維が補強されたフードや、かぼちゃのトッピングのような方法を獣医師と相談してみることができますし、こつこつ続けるお散歩はここでも薬です。それでも繰り返しがひどかったり炎症が多いなら、病院でケアの周期と方法を設計し直すのが正解です。うちのグルム(「雲」という意味の名前です)はお風呂の日に一緒に絞ってあげることにしたら1か月周期が定着したのですが、その前はずりのサインが来るたびにあたふたしていました。
肛門腺の周期は、絞った日とサインがまた始まった日が分かってこそつかめます。おしりをずる瞬間を短い動画や写真でクンクンに上げておけば投稿に日付が残るので、前回のケアから何日の間隔なのかすぐ見えます。
今日の様子を写真に残す →肛門の脇がぷっくり腫れて触ると痛がったり、皮膚が赤くてじゅくじゅくして見えるなら、肛門腺炎の段階かもしれません。この状態で家で絞ると痛みだけひどくなって悪化しかねないので、病院での処置が正解です。放置するとうんで破れる「破裂」まで行くのですが、肛門の脇に穴が開いて血うみが見える状態で、これは応急の処置と治療が必要です。おしりずりを数日なんとなく流していたら破裂まで行くケースが地味にあるので、サインが見えたら先送りせず確認してあげてください。
多くのおうちが肛門腺のケアをお風呂やトリミングのとき任せますが、良い方法です。ただ2つだけそろえてください。1つ目、毎回お願いする前に、うちの子がケアの必要なタイプか確認すること。自然排出がうまくいっている子を毎回絞るのは、不要な刺激かもしれません。2つ目、トリミングの後もずりが続くなら、絞り切れていないか、別の問題(炎症、寄生虫)かもしれないので、病院での確認に進むこと。ちなみにおしりずりは肛門腺のほかに、駆虫が必要なサインのこともあるので、繰り返されるなら健診で一緒に確認するのがすっきりします。
この記事は一般的な情報提供のための参考資料であり、専門的な診断と治療に代わるものではありません。愛犬の症状と治療は、必ず獣医師にご相談ください。