犬の豆知識 › ケア・トリミング

犬のサマーカット、本当に涼しい?
ダブルコートを刈ってはいけない理由

2026年6月19日

毎年夏になると、サロンで「今回は涼しくばっさり刈りましょうか?」という言葉を聞きます。うちのグルム(「雲」という意味の名前です)はシングルコートなので短くしても大丈夫ですが、散歩友だちのポメの飼い主さんが、夏に刈ったら毛が変に伸びて苦労するのをそばで見ました。犬種によって答えが完全に分かれるテーマなので、ちゃんと整理してみました。

ひと目で分かる答え

ダブルコートの犬種は刈ってはだめで、シングルコートの犬種は1cm以上残せば大丈夫です。ポメ、柴、ゴールデンのようにアンダーコートのある子は、毛が断熱材の役割をするので、刈るとかえって暑く、日差しでやけどをします。涼しくしてあげたいなら、アンダーコートをブラシで取り除くのが答えです。

夏の芝生の日陰でおなかを付けてふせて休む茶色のポメラニアン
この毛が、冬はダウン、夏は日よけになります。

犬の毛を刈れば、本当に涼しくなる?

人の感覚では、毛が多ければ暑いと考えやすいですが、犬の毛は服ではなく断熱層に近いです。特にオーバーコートとアンダーコートが別々にあるダブルコートの犬種は、オーバーコートが日差しを防いで、アンダーコートの間の空気の層が温度を緩衝します。これを刈ると皮膚に直射日光がそのまま当たって、犬は汗腺が足の裏にしかないので、皮膚から熱を出せません。だから刈った後、もっと暑がる子が多いです。

区分代表の犬種夏のトリミング理由
ダブルコートポメラニアン、柴、ゴールデンレトリバー、ウェルシュコーギー、ハスキー、サモエド刈らない。アンダーコートのブラッシングで管理断熱の機能の喪失、日差しのやけど、毛がちゃんと戻らないケースあり
シングルコートのカーリープードル、ビション、マルプー1~2cm残して短く可能アンダーコートがないので短くても無難、刈りすぎると皮膚の露出
シングルコートの長毛マルチーズ、ヨークシャーテリア、シーズー1cm以上残して短く可能もつれが減ってケアが楽になる
短毛チワワ(短毛)、ダックスフンド、フレンチブルドッグトリミング不要すでに短い。刈る毛がない

※同じ犬種でも、毛のタイプが混ざった子がいます。トリマーさんに、うちの子の毛がダブルコートか聞いてみてください。

ダブルコート犬種がサマーカットをすると、どんな問題が起きる?

私の散歩友だちのポメが、まさに3番目のケースでした。刈った後、夏の間アンダーコートだけもこもこ伸びて、オーバーコートは冬になってようやく戻りました。その飼い主さんが言っていました。涼しくさせようとやったのに、あの子がもっとハアハアしていたと。

刈らずに夏を涼しく過ごす方法は?

ダブルコートの子の夏の管理は、トリミングではなくブラッシングです。春の換毛期に抜けるアンダーコートを、アンダーコートレーキやスリッカーで十分取り除けば、毛の間に空気が通ります。密度が半分に減ると、実際に暑がりにくくなります。ここに、お風呂の後アンダーコートまで完全に乾かすこと、おなかや脇のように毛の少ない部位を短く整えることくらいで十分です。

これは飼いながら学んだのですが、涼しさは毛より時間帯が決めるんですよね。真っ昼間に出れば、どんな毛でも暑いです。夏は日が昇る前や日が沈んだ後へ散歩を移して、水を持って、アスファルトの代わりに土の道を選ぶのが、トリミングよりずっと効果が大きいです。

夏の散歩、何時に出ていますか?

ダブルコート犬種の夏は、毛を刈ることではなく時間帯を変えるのが答えです。クンクンにお散歩を残すと何時にどれだけ歩いたのか日付別に積もって、暑い時間帯に出た日があったのかひと目で見えます。次の夏は、去年の記録を開いてみれば大丈夫です。

今日の散歩を残す →

シングルコートの犬種は、夏にどれくらい短くしてもいい?

長さの基準

プードル、ビション、マルチーズはアンダーコートがないので、短くしても断熱の問題はありません。ただし皮膚が透けるほど刈ると、日差しのやけどと虫は同じように問題になります。1cm、余裕があれば1.5~2cmを残すのが、ケアと保護の間のバランスです。グルムは夏に体1.5cm、顔は普段どおりにしています。

おなかと脇

床に触れるおなかは、もう少し短くしても大丈夫です。涼しい床におなかを付けて休むのが、犬が熱を冷ます方法のひとつですから。脇は湿りやすいので、短く保てば湿疹の予防にも役立ちます。

トリミング直後の数日

短く切った直後は、皮膚が敏感です。3日ほどは真昼の散歩を避けて、草むらも避けてあげてください。刈ってすぐ芝生に転がって、皮膚が赤くなった子をよく見ます。

夏のトリミングは、犬のためというより、飼い主さんの心が楽になる仕事に近いときが多いです。それが悪いということではありません。ただ、うちの子の毛がどんな種類なのか、一度だけ確認して決めれば大丈夫です。

よくある質問

うちの子がダブルコートか、どう分かりますか?
毛を指で広げてみてください。表の長くて滑らかな毛の下に、短くてふわふわの綿のような毛が密なら、ダブルコートです。春に毛が束で抜けるのも、ダブルコートの特徴です。あいまいなら、トリマーや獣医師に聞けばすぐ教えてくれます。
すでにダブルコートを刈ってしまいました。どうしますか?
元には戻せませんが、管理はできます。散歩は日陰と早い時間へ、必要なら薄いクールベストを着せて皮膚を隠してあげてください。毛がまた伸びる間はブラッシングを続けてアンダーコートが固まらないようにして、6か月過ぎてもオーバーコートが戻らなければ、ホルモンの検査を受けてみるのが良いです。
毛を刈らないと、夏バテしませんか?
毛より、時間帯と路面が暑さを決めます。真昼のアスファルトはどんな毛でも危険で、日が沈んだ後の土の道なら長い毛でも大丈夫です。ハアハアがひどくなったり歯茎が赤くなったら、毛と関係なくすぐ日陰へ移して水をあげてください。
クールベストやクールマットは効果がありますか?
クールマットは、おなかを当てて休む犬の熱の放出を助けてくれるので、効果がある側です。クールベストは水にぬらして使うタイプが、乾きながら熱を奪う原理なので乾燥した日には助けになり、湿った日には効果が落ちます。どちらも、日陰と水の代わりにはなりません。
ダブルコート犬種の夏のブラッシングは、どうやりますか?
アンダーコートを取り除くのが、夏の管理の核心です。アンダーコートレーキで死んだアンダーコートを抜いてあげると、空気が通ってずっと涼しくなります。週2~3回、換毛期には毎日やってください。オーバーコートは切らずにそのまま残すのが、日差しと熱を防ぐには良いです。ブラッシングの後、ぬるま湯でおなかと足をぬらしてあげるのも、体温を下げる助けになります。

この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。