フードの量は量るのに、水はそのまま、というおうちがほとんどですよね。でも水は、少なく飲んでも、急にたくさん飲んでも体のサインです。うちの子が1日に水をどれくらい飲んでいるか、一度でも確認したことはありますか?まず基準から押さえましょう。
1日の推奨飲水量は、だいたい体重1kgあたり50~60mlです。5kgの子なら250~300ml、紙コップ1杯半ほどです。ウェットフードを食べているなら、食事から取る水分が多いので少なめに飲むのが正常です。注意すべきサインは両方です。目に見えて飲まないことも、急にぐんと増えた飲水量も疾患のサインかもしれないので、確認が必要です。
| 体重 | 1日の推奨量 | 感覚のつかみ方 |
|---|---|---|
| 3kg | 150~180ml | 紙コップ1杯強 |
| 5kg | 250~300ml | 紙コップ1.5杯 |
| 10kg | 500~600ml | ペットボトル小1本 |
| 20kg | 1~1.2L | 2Lペットボトルの半分強 |
測定は簡単です。朝に決まった量を注いでおいて、翌日の同じ時間に残った量を引けば、1日の飲水量が出ます。複数の器を使うおうちは全部合わせればよく、2、3日の平均を取れば、うちの子の基準線がつかめます。この基準線があってこそ、増えたのか減ったのかが分かります。
1つ目、器の清潔さと水の新鮮さ。ぬめりの付いた器と1日たった水は、敏感な子は拒否します。1日2回替えるだけで変わるケースが多いです。2つ目、器の場所と数を増やす。家の中の2、3か所に水の場所を作ると、通りすがりに飲む量が増えます。3つ目、流れる水が好きな子なら、噴水タイプの給水器がよく効きます。4つ目、フードに水や無塩のだしを少し混ぜて、食事で水分を入れる方法。特に冬場の飲水量の低下に効果的です。
飲水量の話でぜひ強調したいのはこちらです。水の器がやけに早く空になり、おしっこの量と粗相が増えたなら、天気や運動のせいでない限り、確認が必要な変化です。糖尿病、腎臓病、ホルモンの疾患(クッシングなど)に共通する初期のサインが、多飲多尿(たくさん飲んでたくさん出す)だからです。体重1kgあたり100mlを軽く超える日が続くなら、病院で血液と尿の検査を受けてみてください。このサインを早くつかんだおうちと遅かったおうちでは、経過の差が大きいです。
飲水量の変化は、飼い主さんがいちばん気づくのが遅いサインです。水の器の前で長く飲む姿を短い動画でクンクンに上げておけば投稿に日付が残るので、いつから変わったのか、診療のとき正確に伝えられます。
うちの子の動画を残す →夏は量より温度と衛生です。ぬるくなった水は飲まない子が多いのでこまめに替えて、外出のときは携帯用のボトルが必須です。氷を浮かべてあげるのはほとんどの場合大丈夫ですが、氷を丸ごとかじる子は歯が心配なので、小さなかけらであげてください。冬は逆に、飲水量の低下が問題です。活動が減って渇きを感じにくくなるので、おしっこが濃くなって尿路の問題が起きやすい季節です。フードに水を混ぜる、室内の水の場所を増やす、が冬に特に有効です。
ステンレスの器に映る自分の姿や、迷子札が器に当たる音が嫌で水を敬遠する子が、実際にいます。陶器やガラスの器に替えると解決するケースです。器の高さも見てあげてください。床にぺたっと付いた器は、大型犬とシニア犬には首の負担になります。そして給水器を使うおうちは、フィルターとモーターの洗浄の周期を守ることが重要です。楽をしようと置いた給水器が、洗わなければ細菌の温床になりますから。週1回の分解洗浄を基本にしてください。うちのグルム(「雲」という意味の名前です)はリビングの器はそっぽを向いて、洗面所の前の器しか飲まない子なので、器の場所をひとつ移したことが、飲水量をいちばん変えました。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。