犬の豆知識 › 犬種・お迎え

犬の性別で性格は違う?
オスとメスの特性と俗説の整理

2026年7月25日

うちのグルム(「雲」という意味の名前です)を迎えるとき、「オスのほうが甘えん坊」という言葉を聞いてオスを選びました。でも散歩友だちの中でいちばん甘えん坊なのはメスのプードルのチョコで、いちばんつんとしているのはオスの柴のハルです。性別の俗説がどこまで合っているのか気になって、整理してみました。結論から言うと、思ったより合いません。

ひと目で分かる答え

オスとメスの性格の差はありますが、犬種と個体の差よりずっと小さいです。手術前のオスはマーキングと放浪の性向が、メスは発情期があるという実質的な差があって、手術の後は性格の差がさらに減ります。「オスは甘えん坊、メスは独立的」は傾向なだけで、その逆の子がいくらでもいます。

同じクッションの上で別々の方向を見て座っている茶色のプードル2匹
左がオス、右がメスです。見分けが付きますか?

オスとメスは、性格が本当に違う?

よく、オスは甘えん坊で活発で単純、メスは独立的で落ち着いていて敏感と言います。この傾向が完全に間違いではありません。ただその差は、犬種の差や個体の差に比べればとても小さいです。同じオスでもビションと柴が違って、同じメスのプードルでもきょうだい同士で違います。性別で性格を予測するのは、血液型で性格を当てるのと似たレベルです。

項目オスメス実際
甘えん坊多いという俗説少ないという俗説個体差のほうがずっと大きい
マーキング去勢前は多いまれだがある実質的な差、去勢でほとんど減る
発情期なし、代わりにメスのにおいに反応年1~2回、2~3週間の出血実質的な差、手術でなくなる
体格同じ犬種で少し大きい少し小さい10%前後の差
他の犬との関係オス同士は緊張し得るメス同士はけんかするとひどい側2匹目の性別の組み合わせの参考に
トレーニング気が散るという俗説集中力が良いという俗説差はわずか
寿命似ている似ている手術の有無のほうが影響

実際に違う点は?

これは飼いながら学んだのですが、性別で変わるのは性格よりケアなんですよね。グルムは手術の前は散歩の間じゅうマーキングばかりで終わっていたのに、手術の後は歩く時間が増えました。

手術すると、性格が変わる?

性格そのものは変わりません。ただ、ホルモンが作る行動(マーキング、放浪、オス同士の緊張、発情期の敏感さ)が減って、結果的に落ち着いて見えます。甘えん坊になったり減ったりはしません。太りやすくなるのは事実なので、フードの量を10~20%減らす必要があります。そして手術の後は、オスとメスの行動の差がさらに小さくなって、性別で選ぶ理由がほとんどなくなります。

性別より、この子の表情を見てください

甘えん坊が欲しくてオスを選んだのに、ふてくされた表情が名作の子もいます。クンクンに写真を上げてめくってみると、性別の俗説と関係のない、この子だけの顔が日付順に積もります。「性別で選ばずその子を見ろ」という言葉が、写真を見ると理解できます。

今日の様子を写真に残す →

性別を選ぶとき、実際に参考にすること

2匹目の性別の組み合わせ

すでに飼っている子がいるなら、反対の性別が無難です。オス同士は序列の争いがあり得て、メス同士は一度けんかするとひどく行くケースがあります。両方とも手術していれば、どの組み合わせでもやわらかくなりますし。

手術の計画

手術をするなら性別の差はほとんど消えるので、性別の悩みを下ろして大丈夫です。しないなら、オスはマーキングと放浪、メスは発情期の管理を受け止める必要があるので、その部分を基準に決めてください。

それでも選びたいなら

子犬のきょうだいの中で、性別の代わりに性格を見てください。前へ出すぎる子でも、隠れすぎる子でもない、中間の性格が初心者に無難です。性別はその次です。

「オスは甘えん坊だって」という言葉でグルムを選びましたが、グルムが甘えん坊なのはオスだからではなく、ビションだから、そしてグルムだからです。性別は、犬を説明するいろいろな項目の中で、いちばん小さな欄です。

よくある質問

メスの発情期は、どう管理しますか?
2~3週間出血があるので、犬用のマナーウェア(おむつ)を使って、散歩のときはオスが付いてくるので短く行ってきてください。ドッグランやドッグカフェは避けるのがマナーです。敏感になって食欲が落ちることもありますが、正常です。毎回つらければ、避妊手術を考えてください。
オスのマーキングは、去勢すれば完全になくなりますか?
幼いころに去勢すればほとんどなくなりますが、習慣の固まった成犬は、去勢の後も一部残ることがあります。散歩中に数回マーキングするのは正常な行動で、家の中のマーキングはトレーニングで減らすべきです。
メスのほうが静かでおとなしいという話は、合っていますか?
傾向としてはそういう話がありますが、犬種と個体の差のほうがずっと大きいです。メスのポメはオスのゴールデンよりずっとにぎやかです。静かな子が欲しければ、性別より犬種とその子の性格を見てください。
オスとメスでは、どちらが健康ですか?
性別そのものでは差がほとんどありません。手術の有無のほうが影響します。避妊したメスは子宮蓄膿症と乳腺腫瘍のリスクが大きく減って、去勢したオスは前立腺の疾患が減ります。代わりに、手術の後は肥満の管理が必要です。
犬の性別は、どう見分けますか?
おなかの下を見ると、オスはおへその下のほうに生殖器があって睾丸があり、メスは生殖器が肛門のすぐ下にあります。子犬は見分けが紛らわしいことがあるので、病院で確認してください。まれに潜在睾丸のように、睾丸が下りていないオスもいます。

この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。