「グルム、お散歩?」と言うと、うちのグルム(「雲」という意味の名前です)は首を右へ45度ほどかしげます。「グルム、ごはん?」なら左へです。方向まで決まっているのを見て、これは単純にかわいい癖ではなく、何かを一生懸命やっている最中なんだろうな、と思いました。調べてみたら、実際にそうだったんですよね。
首かしげは音の位置と意味を、より正確につかもうとする動作です。耳の角度を変えて音がどこから来るのか計算して、長い鼻に隠れた人の口と表情を見ようと首をひねって、慣れた単語が聞こえると集中するために止まります。ここに「かしげると人が喜ぶ」という学習が加わって、習慣になります。ただし、片側にだけ傾き続けているなら、耳の疾患かもしれません。
人は両耳の位置が固定されていて、頭を動かさなくても音の方向がだいたい分かります。犬は耳がずっと精密な代わりに、耳介の角度を変えてこそ、微細な高低と距離の差を計算できます。首を傾けると、両耳に音が届く時間の差が大きくなって、位置がより正確になります。そしてもうひとつ、鼻の長い犬種は、正面を見るとき鼻のせいで人の口の下側が隠れます。首を少しひねると口の形が見えて、話す人の表情を読みやすくなります。
| 理由 | どんな状況で | 特徴 |
|---|---|---|
| 音の位置の把握 | 初めて聞く音、別の部屋の音 | 耳が音のほうへ回る、体も少しひねる |
| 視野の補完 | 人が正面から話すとき | 鼻の長い犬種でより頻繁 |
| 単語への集中 | 散歩、ごはん、名前のような知っている単語 | 単語の直後に止まる、目が大きくなる |
| 学習された習慣 | 飼い主と向き合うとき | 音がなくてもやる、反応を待つ |
| 病的な傾き | 状況と関係なくいつも | 片側に固定、ふらつき、耳をかく |
面白い研究がひとつあります。おもちゃの名前を数十個覚える、いわゆる天才犬たちを観察したら、飼い主さんがおもちゃの名前を言うとき首をかしげる割合が、普通の犬よりずっと高かったそうです。かしげることが知能そのものというより、慣れた単語を聞いたとき、脳がその情報を処理する瞬間に出る動作だ、という解釈です。だから、うちの子が「お散歩」という言葉にかしげるなら、その単語をもう聞き分けて、次に来る言葉を待っている最中です。
これは飼いながら学んだのですが、グルムは、私が低い声でゆっくり話すときより、高く短く聞くときのほうがずっとよくかしげます。「?」の付いた言葉だと分かっているみたいにです。だから最近は、何か聞くことがあるとき、わざと語尾を上げて言います。
話しかけたときだけちょっと傾けてまた戻れば、正常です。ところが、何の音もないのに頭が片側へ傾き続けていたり、傾けたままくるくる回ったり、歩くとき片側へ寄ったり、耳をしきりにかいて振るなら、話が変わります。耳の中の炎症、前庭の器官の問題、シニア犬の場合は特発性の前庭疾患かもしれません。特に急に始まって、目が左右に揺れる症状が一緒に見えたら、当日病院へ行くべきです。
「お散歩」という言葉に首を折る瞬間を撮ってクンクンに上げると、ご近所のわんちゃんの飼い主さんたちのコメントが付きます。「うちの子は左です」という具合にです。投稿に日付が残っていいねが積もって、こういうかわいい瞬間がご近所の中を回ります。
ご近所のわんちゃんに自慢する →1週間だけ、いろいろな言葉をかけてみてください。かしげる単語とやらない単語が分かれます。かしげる単語は、もう聞き分けている単語です。そのリストが、うちの子の単語帳です。思ったより長くて、驚くはずです。
変な音を出してかしげるのを誘って写真を撮る動画が多いのですが、毎回そうすると、あの子はその音を警戒するようになります。自然に話しかけたとき出るかしげのほうがずっとかわいくて、関係にも良いです。
年を取った子が前よりかしげを多くやるなら、聴力が落ちて、音をもっと熱心につかもうとしているのかもしれません。このときは言葉を少し大きくはっきり、そして正面から言ってあげてください。手ぶりを一緒に使い始めれば、後で聴力がもっと落ちても、意思疎通が続きます。
首をかしげるその1秒の間、あの子は私たちの言った言葉を、全力で聞いているのです。その時間が惜しくて、私は最近、質問をもっとたくさんします。答えはできませんが、聞いているのは確実ですから。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。