トレーニングのおやつは、何を買うかより、どうあげるかが10倍重要です。同じおやつでも、あるおうちは1週間で「おすわり」を完成させて、あるおうちは1か月たっても足踏みしている理由が、サイズとタイミングにあるからです。トレーナーが使う技術を、家庭用に整理してお届けします。
トレーニングおやつの3原則は小さく、速く、等級制です。サイズは小指の爪の半分で十分(噛む時間が長いとトレーニングの流れが切れます)、ごほうびは望む行動が出た1秒以内にあげてこそ、つながりが学習されます。そして易しいトレーニングにはフードの粒、難しいトレーニングには特別なおやつと等級を分ければ、カロリー管理とやる気の両方が押さえられます。
| 基準 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| サイズ | 小指の爪の半分以下 | 何十回あげてもカロリー負担を少なく |
| 質感 | やわらかく、すぐ飲み込めるもの | 噛んでいる間の流れの中断を防止 |
| におい | 香りのあるもの | 集中を引き出す力は香りから |
| 携帯性 | 崩れず、手に付かないもの | 散歩トレーニングの実戦用 |
市販のトレーニング専用トリーツがこの条件に合わせて出ていますし、大きなおやつをはさみで細かく切って使うのも立派です。私も最初はうちのグルム(「雲」という意味の名前です)に丸ごとのジャーキーをごほうびにあげて、噛んでいる30秒の間にトレーニングが毎回リセットされるのを経験してから、サイズの重要性を学びました。細かく切ってからは、同じ時間で繰り返しの回数が数倍になりました。
犬は、ごほうびをもらう瞬間にしていた行動が正解だと学びます。座って3秒後におやつが出てきたら、その間に立ち上がっていたなら「立ち上がる」がごほうびをもらったことになります。だから正解の行動とごほうびの間は、1秒以内が原則です。おやつを取り出す時間まで縮めるには、トレーニングの前におやつを手か腰のポーチに準備しておいてください。手が追いつかないなら、「よし」のようなほめ言葉の合図を正解の瞬間に先に言って、おやつをつなぐ方法(マーカートレーニング)がその時差を埋めてくれます。
すべてのトレーニングに最高級のおやつを使うと、カロリーも超過して特別感も消えます。等級を分けましょう。家の中の易しい復習は1日のフード量から取り分けたフードの粒で、新しく学ぶ動作と散歩中のトレーニングは中級のおやつで、「おいで」のように命を守る最重要トレーニングは、その子の人生いちばんのおやつで。こうすればフードの粒のおかげで1日のカロリーが守られて、最高のおやつの希少性のおかげで呼び戻しの成功率が上がります。
初めて成功したおすわり、初めて待てた10秒は、短い動画で残すのにぴったりの瞬間です。クンクンに上げた投稿には日付が残り、ご近所のわんちゃんたちのいいねが付きます。ご近所フィードのよそのおうちの特技の動画は、次のトレーニング課題の良いヒントになります。
ご近所のわんちゃんに自慢する →おやつはトレーニングの松葉づえではなく、はしごです。目標は、いつかはしごを外すこと。動作が体に染みついたら、毎回あげる方式から、ときどきあげる方式(間欠ごほうび)へ進んでください。いつ出るか分からないごほうびが、かえって集中を維持させます。そしておやつのごほうびと一緒に、ほめ言葉、なでること、遊びのような食べ物以外のごほうびをいつも混ぜてあげてください。最終的には、飼い主さんの喜ぶ反応そのものがごほうびになるのが理想です。ただし呼び戻し(おいで)だけは例外で、一生ときどきジャックポットのおやつを維持することをおすすめします。命のかかった指示の価値は、払い続けるだけのことがあります。
おやつをあげても見向きもしないなら、おやつの等級が低いせいかもしれませんが、環境の難易度が高いせいのケースのほうが多いです。他の犬が目の前にいたり怖い状況なら、どんなおやつも耳に入りません。そういうときは、おやつのランクを上げるのではなく、距離を空けて難易度を下げるのが答えです。そして食事の直後のトレーニングはやる気が落ちるので、トレーニングは食事の前の少し小腹がすいた時間帯が効率が良いです。おやつが効かない日は、あの子のせいではなく設計のせいのケースがほとんどです。
この記事は一般的な情報であり、獣医学的な診断に代わるものではありません。愛犬の状態は動物病院にご相談ください。